繭玉抄
林田麻裕
読んでない雑誌が二冊食べてないフルーツが二個あるような気分
温かいポエムをさらに温かく読むDJの声真似てみる
花嫁への第一歩だね「洗濯をしたよ」と君のメールで起きる
花が咲くように赤ちゃん笑い出すこの子のパパは嫌いだけれど
マドレーヌとマドレーヌ持つ君のこと抱き上げてこのうれしい重さ
繋がる五七五㉓ 寅彦①
おーたえつこ 消しゴム版画 辻 水音
松根東洋城は、寺田寅彦ともしょっちゅう連句をしていたようです。というか、寅彦も連
句がすきだったのでしょう。東洋城以外の友人ともよくやり取りしています。
寺田寅彦全集に百以上の歌仙が残っています。この、岩波書店の寅彦全集は阿倍能成、小
宮豊隆、松根東洋城、矢島祐利らが編集しました。小宮も漱石門下で有名ですね。
虎彦、東洋城、小宮の三人で巻いた歌仙もたくさんあります。
寅日子は寅彦の、蓬里雨(ほうりゅう)は小宮豊隆の俳号です。寅彦には、他にも牛頓
(ニュートン)などいくつかの号があります。蓬里雨は、豊隆の音読みです。
かはかはと蛙妻よぶ夜となりぬ 蓬里雨
水草生ふる沼のそこここ 東洋城
春雷は隣の国へ行きぬけて 寅日子
眼鏡拭き拭き細工ものする 雨
二階から掃き出し窓の市の月 城
魚の骨切る音のやや寒 子
中略
ピアノの蓋を渡る山蟻 子
コーヒーはジャワとモッカを四分六に 雨
どこの渡しの浮世絵の月 城
(渡、が打越かも?(笑))
ひややかに夢の一村眠りゐて 子
稲の穂はこぶ野鼠の恋 城
中略
幼馴染をいかで忘れん 子
文鳥の嘴の色なる爪紅に 雨
押さへし蚤をまた逃がしけり 城
隣から隣の犬の吠え出して 子
よそのラヂオで時計合はせる 雨
中略
曼殊沙華かたまりあへるさびしさよ 雨
跨げば雲を映す野の水 城
飛行機を馬に曳かせてゐたりける 子
名物もなくさびれ行く茶屋 雨
庇間をなだれ落ちたる花の雪 城
虻のうなりに臈たけし春 子
可愛い連句だなあって思います。なんだろ、現代的。昭和に入ってからのものなので、そ
りゃ明治のものとは違うのか。生き生きと感じられるのは、もう自分の知っている世界に近
いからでしょうね。
寅彦は、連句についてのエッセイもたくさん書いています。
曰く、連句は日本人の過去、現在、未来の生きた生活の活動写真だ。とか、また、連句は
音楽だ。とか。
打越というものは、前句が、前々句に上手くついていればいる(付き過ぎともいう)ほど、
起きやすいとも書いてありました。味わっちゃって影響を受けてしまうということかな。
この歌仙に打越っぽいところがあるのも、付けが上手すぎる? 私には、この小宮の句が
寅彦の句に付き過ぎとは思えませんけど。蟻は甘いものが好きだから、甘いものにはコーヒー
という連想かなと。
さっき、昭和だから自分に近いって言いましたけど、ラジオで時計を合わせるとか、飛行
機を馬で引っ張るとか、今ならグライダーにしても台車に載せて引っ張るのはクルマでしょ
う。明治は遠くなりにけりって言うけど、昭和は遠くなりにけり、ですね。
季 湖 さ ん の 暑 い 一 日
写真 季湖
土用の丑の日
あれこれ
@職場「石」
気温は30℃切り、しかし湿度の高さと言ったら半端ナイ。
さ、今日は鰻、鰻、鰻ですっっっ!!
蒲焼き(愛知県一色産、台湾産)、白焼き、鰻だし巻き、肝串、
鰻は16:00頃にはめでたく完売、おかげさまm(_ _)m
一日中鰻を見て、鰻疲れ、、、
もう鰻は見たくない。。。
でもやっぱり晩ごはんはうなぎ丼。
毎年恒例、味比べ産地当て。
そして全員ハズレという、、、、爆笑
年一回の贅沢
国産1、台湾産1
を買います。
でももう来年から台湾産で十分だよね~と思いました。
(冷凍蒲焼きの状態で仕入れてくる台湾産鰻は、
うちの大将は昔からこの方法でひと手間かけてクセのない美味しい
と思ってたら、先日テレビでやってたよ。
スーパーのうなぎの蒲焼を美味しくするひと手間···って。
このところの猛暑と太陽光の厳しさ怖さであまり庭に出ていないん
蟷螂コトちゃんはお休みします。m(_ _)m