繭 玉 抄

    林田麻裕

あなたには忘れられない人いるのうどんをおいしそうに食べるね

 

もしかして私怒られているかな脳内の音楽が止まった

 

ふるさとと頭が分かるふるさとと心が分かる息が深いわ

 

一曲の歌に一枚の絵の中に何十年が搾られている

 

 もしかして結婚の時期逃したかけれどもチーズパンがおいしい

繋がる五七五⑮

      おーたえつこ   消しゴム版画 辻 水音

 私たち連句部では時々歌仙を巻いています。そのとき、恋の句に皆さん苦戦します。恋の

句を詠むつもりのないときには、なかなか色っぽいというのか、胸がきゅんとするような場

面を詠む人でも、「恋」を意識するやたちまち思考がフリーズしてしまうといった状態にな

るんです。

 昔の連歌や連句には、中学生の男の子的な句や、おっさんのセクハラダジャレみたいなの

が、たくさんあります。バレ句以前の、バレるどころか始めからもう丸見えやん、奥さま、

ここでは申せませんわ、という句もどっさり。連句のあいだじゅう下ネタ連発、それしかな

いんかの巻もあります。

 いっぽうで、恋は下ネタではありません、文化です、の、古歌の恋歌や、恋物語を利用し

たものもよくあります。「伊勢物語」の業平や、「源氏物語」の光君やお姫様方、謡曲や浄

瑠璃なんかはかっこうの材料です。私たちが恋愛映画や韓流ドラマを題材にするような感じ

かも。

 芭蕉さんたちのグループのをちょっとみましょうか。

 

歌詠みて女に蚕おくりたる

(「伊勢物語」の「なかなかに恋に死なずは桑子にぞなるべかりけり玉の緒ばかり」

 恋焦がれて死ねないなら蚕になればよかった。命短いし、恋もはかない、男の気持ちも長

 続きしないし。という歌が下敷き。虫を送られて、この女の人どうしただろ。虫愛ずる姫君?

 それともギャーッって叫んだ?)

 枕屏風の絵に涙ぐみ

(伊勢物語の絵が描かれた枕屏風)

聞きなれし笛のいろへ(能の短い舞いにあしらう笛)の遠ざかり

(お別れですね)

 

いはぬおもひの知るる溜息

(「人知れずこそおもひそめしか」ってやつかな)

もとゆひのほつれてかかる衣かつぎ(貴婦人の外出時のかっこう)

 人のなさけを榾に柴かく

語りつつ萩咲く秋の恋しさを

(恋から秋の人恋しさに恋離れしました)

 

 落ちたる髪をときそろへつつ

(黒髪の乱れもよく使われる恋の句の材料です)

恋られて恋ふひとよりも物ぐるし

 

 細く書きたる文のやさしき


(この三句はわかりやすくきれいな恋の句。手紙もよく使われます。逢瀬の前と後には必ず

 歌を詠み手紙を書くのが王朝時代のルールです。「きぬぎぬの」とくれば、逢瀬後、もうそ

 ういうことです。)

 

帷子に風も涼しき中小姓

 

(お殿様と若衆、お坊さん同士なんかもよく出てきます。BL小説とかそういう漫画あるで

 しょう?あんな感じ。からかい半分のもあるけど、真剣なのも。それは男女の恋に対して

 も同じ。)

 明日お返事を黄昏の文

うつくしき声の匂ひを似せてみる

 

西衆(西国の人たち)の若党つるる草まくら

 むかしばなしに野郎(男色を売る人)泣かする

 

きぬぎぬは宵の踊の箔(華やかな箔小袖)を着て


(この三句は、ほんとにBL。やや三句がらみ? でもどうしてもそういう世界を表現した

 かった?)

 

 普通といわれる男女の恋のほかには、こういう若衆やお小姓のほかには、尼僧も。人妻っ

てのもある。あ、そうだ、忘れてはいけないのが遊女です。橋の下の夜鷹から𠮷原大店の太

夫、豪華絢爛な花魁までもれなく登場。ときには、やり手婆や太鼓持ち、美人局もいる。

 

 どうでしょう、恋の句、作ってみたくなりましたか?

大阪天神祭

 

今日7月25日は大阪の天神祭。

ちょうど天満から天満橋まで歩いた私はお神輿に遭遇。

  (誰がこの暑い中歩くねん!)

ついでに天満宮にも寄ってきた。

大阪のおじちゃんもおばちゃんも、めちゃめちゃ張り切っていた。

        写真 すなお

ぷらら天満(公設市場みたいなもの)の前に、神輿が置いてあった。

真ん中の写真は、神輿を上から撮ってます。まるで神社。

しばらくしたら前で人が踊り出した。(暑いだろうな)

 

商店街で出会った神輿をどうぞ。自治会ごとに神輿があるみたいだ。

神輿の後の方を担ぐ人は、後ろ向きで担いでいた。

どこも掛け声を出して元気いっぱい!

次は天満宮境内に入ります。

入ったとたん、ハッピを着た人が抱えられるように歩いていて

どうも熱中症になったらしい。この暑さだから仕方によね。

 

境内は祭のための飾り付けがしてあった。飾り付けの由来など書いてあったが、暑さのせいでパス。

正門の所で、涼しげな巫女さん(?)に出会う。

巫女さんを迎えていた紋付袴の方の髪がブルーなのにはびっくり。

道路の植え込みで神主さんがしゃがんでいるので、なんだろうと思ったら、

暑さ負けのイタチに水をかけていた。人間も動物も大変だ。

少し離れた所には、馬運車があり馬が4頭。祭に使うのだろ。

ながながと付き合ってもらいましたが、最後は大川の川べりと橋の様子。

出店が沢山出ていたが、さすがに暑いのでまだ開けてない店もあった。

夜になると、船渡御が行われる川だ。

上の写真で遠くに見えていた筏

 これに神輿を乗せて渡るそうだ。

 

関西にいるが、実際に見たことはない。帰りの道、電車などの

混雑がすごいみたいで行かない。

 

京阪電車は臨時便を出すと言っていた。

 

祭仕様の橋を最後にどうぞ。

 大阪の空とは思えない青空!