新茶
高校の同期の「健康寿命延伸プロジェクト」というグルー
プが、「京都府和束町茶摘み体験」を企画した。プロジェクト
には参加した事がなかったが、この機会を逃したら死ぬまで
に茶摘みは出来ないと思い参加した。
和束町で近鉄バスを降りると、茶畑が広がっていた。急な斜
面は等高線に沿って畝が並んでいる。麓で大きな袋を器械に
付けて新茶を刈られているご夫婦を見かけた。茶の生育や種
類によって、覆いをかける時期も違い、覆いの種類も違うそうだ。
いざ収穫の時期に遅霜が降りると茶葉が駄目になる。ガイドさんの説明を聞きながら、農家さんの大変さを知った。
お茶づくし弁当を食べた後に、茶摘み体験だ。小高い山の茶
畑へ移動、一芯二葉(いっしんによう)の下を優しくつまみ、軽く
捻ると面白いように摘める。一人ずつ籠をもらい、茶摘み娘に
なった気分で摘んでいく。さっさと籠をいっぱいにする人、丁寧
に摘むのでなかなか溜まらない人。それぞれの性格がでる。
初老の集団だったが、気持ちだけは高校生になっていた。
新茶の荷急ぎ届くよ字が撥ねて 波多野爽波
無人駅心づくしの新茶かな 小山佳栄
婆が売り婆が買いゆく新茶かな たかはしすなお
たかはしすなお 写真 すなお (お茶の芽)