繭玉抄
林田麻裕
救急車走れよ走れろうそくの炎のような命を運べ
子どもたちの声は海の波のようぶつかり合ってうず潮になる
オーケストラより熱い心で告白をしてよじゃないと信じないから
カツラではないんだけれどわたくしのカツラが飛んでいきそうな風
運命の人よ走って会いに来てメロスのようにただひたすらに
床下で何かが「けえけえ」変な声で鳴く。そこにいた三匹の子猫を引きずり出して捨てに行く。それらが戻ってきたら蹴飛ばして摘まみ上げてまた捨てに行く。猫たちはなにやらむくむくと膨らんでいる。しかも庭には枕のような芋虫がぼたぼた落ちてくる。しまいには真っ白で牛ほどの大きさの猫が戸口いっぱいに立ちふさがって自分を押しつぶしにかかるという、短い、怖い物語を書いてますよね。
「ケサランパサランのようなたんぽぽの綿毛」と、送ってきました。
動画もあったのですが、個人の動画はアップ出来ないとの事。残念 (ノД`)・゜・。